好き好き大好き
超ア・イ・シ・テ・ル




 「 ─── だからさ。マンネリっていうのが一番よくねぇと思うんだよな、俺は」
 「う、うん・・?」
 頷きながらも、ついついオレの語尾が上がっちゃう。釣られてつい傾げた首ごと。

 ぺったり座り込んだベッドに両手をついて、疑問詞いっぱいに見上げてるオレの顎が、すいっと不意に掬われた。
 上半身裸のジャンが、震えるオレの顎から首筋までゆるゆると愛撫しながら、ぐっと顔を近づけてくる。
 ・・あぁん・・胸、どっきん・・。
 思わずオレの唇から、恥ずかしいほど濡れた吐息が漏れちゃう。

 「ぁん・・ジャン・・」
 「な?・・マンネリは新婚夫婦の敵だ。俺らの深ぁい愛の前には、決してあっちゃならねぇモンだ。 ─── 分かるだろ、奥さん?」
 「ゃん・・ぁあん、あむ・・ん・・。わ、わか・・る・・」
 ちゅっと軽く音を立てて甘く啄ばまれたオレの唇・・。
 うぅんと素敵な旦那さまに見惚れてたオレは、ぽおっとしたまま思わずこくっと頷いちゃう。
 キスだけでもう・・じぃんって濡れ始めたオレをそっとベッドに押し倒し、ベッドルームのライトを絞りながら、ジャンがとっても嬉しそうに囁いた。
 甘い誘惑の・・その、声・・。

 「・・そっか。お前もソノ気になってくれて嬉しいぜ。ほら、ご褒美に・・今夜はココから、うんと弄ってやっから・・」
 「ぁ、ぁ、・・ぁんっ・・!ゆ、指・・そんないっぱい・・ムリぃ・・」
 悪戯な指先に早速ナカをくちゅくちゅ掻き混ぜられ、堪らず悶えて喘いじゃうオレの耳元で、・・その夜最後に囁かれた言葉。

 「それじゃ決まりな。・・明日の結婚記念日は、ちっと変わったプレイをしようぜ?・・すげぇ可愛いの、買ってきてやってんだ」
 「えぇ・・あ、ぁぁあんっ・・あぁ・・カンジ、ちゃう・・」



  ─── 何か。
 と、とんでもないことを・・トロける瞬間に聞いちゃったような気が・・ぁぁん・・。








 そして、今朝。・・結婚1年目の記念日の朝・・。



 何とか首元のリボンを結び終えたオレは、フラつきながらもキッチンに入った。
 先に丸テーブルについて、珍しくフレームなしのメガネをかけてるジャンが、甘い笑顔を浮かべてオレを見る。
 はうぅ・・ジャンってばカッコいいー・・。
 見惚れてる場合じゃないのに、ついぽぉっとなっちゃって。
 我に返ったオレはおずおずとジャンに近づいてゆく。ゆったり待ち構えている、その逞しい肩に震える指先を伸ばせば、腕をぐっと掴まれてあっという間に抱き込まれた。
 「きゃ、きゃんっ・・!」
 「はよ。・・ほら。いつまでもそんな照れてねぇで、朝の挨拶・・して?」
 膝の上に完全に抱き上げられ、頬っぺた真っ赤のオレに、甘く甘ぁく囁きかけるジャンの声。うう、眩暈がしそう・・。

 「はうぅ・・。えっと・・えっと・・。 ─── おはようございます・・ご、ご主人さま・・」
 「うーん。マジで超萌え・・」
 「ぁあんっ・・!じゃ、ジャンっ・・、朝から・・ダメ・・」
 ちゅううっと激しく情熱的なキス。リボンごと擽るように首筋を擽られて、ぞ・・ぞくぞくしちゃう・・。
 唇が僅かに離れた隙間で、ジャンが甘く囁いた。フレーム越しの瞳に・・ドキドキしちゃう・・。
 「めちゃエロ可愛いぜ。その服、最高に似合ってる・・」
 「ぁう・・ぁあ・・あさ、ごはん・・冷め、ちゃう・・」
 「いいって。お前のご主人さまは今、お前とエッチしてぇの。・・ほら、ご主人さまにはどうするんだっけ?」
 「あ、あう・・。ご・・ご主人さまには、・・ぜったい・・服従・・」
 「良く出来ました。・・いいコだ」
 「はぁん・・ご主人さまの・・えっち・・」



 きらきら、朝の眩しい光が溢れるキッチン。 ─── こんな爽やかな朝なのに。
 耳の上、両サイドにリボンのついた真白ロリなボンネット。
 肩が剥き出しでしかも胸元が大きく開いちゃってる、真白フリルに縁取られた・・黒の超ミニなメイド服。
 「あ、あう・・ナカ・・あふれ、ちゃう・・」
 「うー・・マジサカる・・」
 こんなとんでもないメイドコスのまま、白のフリルに縁取られた黒ニーソックスの上、太腿を這い回るジャンの指の動きに喘いじゃうオレ。
 大切な結婚記念日なのに、こんな・・め、メイド服で乱れちゃうなんて・・。
  ─── うう、はしたなさすぎです。






 「・・もぉ、朝から・・ばか・・」
 「はは、朝からサイコー。・・ほぉら、これでいいな?」
 ナカを散々に弄られて、甘く鳴かされて。
 両手を取って貰ってやっと立ち上がれたけれど、オレはまだ余韻でぽおっとしちゃってて。

 ふと、・・しょ、ショーツが見えちゃいそう程短いスカートの後ろが気になって。赤面してオレはもぞっとスカートの後ろを引っ張った。
 そんなオレの仕草を、悪戯っぽい表情でジャンが笑う。
 「お前ぇ。後ろ押さえると逆に前が上がって、スカートとミニエプロンの奥からぱんつ見えそうだぜ?」
 「や、やぁんっ!ば、か・・」
 慌てて今度はスカートの前を押さえながら、オレはますます真っ赤になっちゃった。



 抱き寄せられて、広いジャンの胸の中に顔を埋めたまま、オレは小声で囁きかける。
 「じゃ、ジャンー・・。ほ、本当に今日一日中、オレ・・め、メイドさん?」
 「そ。全然マンネリ感がなくって新鮮だろ?結婚記念日に最高の萌え・・」
 「も、もぉ・・。ジャンって・・こ、こういうプレイが・・好きな人なの?」
 恥ずかしすぎて耳まで赤くなりながら唇を尖らせれば、笑ってジャンがオレの耳朶を軽く噛む。
 「ぁんっ・・ぁ、ぁう・・噛んじゃ・・やぁん・・」
 「ばぁか。 ─── エロ可愛いお前とのこういうプレイが好きな男なんだよ、俺は・・」
 「んっ・・ぁむ・・ん・・」
 顔中降るほどの甘いキスに蕩かされ、オレもちょっと欲しくって・・唇をそっと開いた。
 誘われるようにすぐに塞いで来るジャンの唇がとっても・・気持ちイイ・・。
 ちゅくっと舌を甘噛みされてひくんと息を飲めば、唾液ごと吸われてもう・・息が止まりそう。



 長くて甘すぎるキスの離れ際、オレはうっとりとジャンの首に腕を回した。
 肘上まで隠れてる純白の手袋を嵌めた指先で、そっとジャンの固い髪を弄った。
 ・・だってもうオレだって・・ラブモードだったから。
 「ご主人さま・・。結婚してもう・・一年経ったけど、まだオレのこと・・す、好き?」
 「当たり前だろ?・・可愛いのにエロくて、恥ずかしがりの癖に時々すげぇ大胆で。お前のエッチな顔とカラダ・・一日中犯してやりてぇくらい好きだぜ?」
 「も、もぉ・・!ほんとにえっち、なんだから・・。ぁ、ぁ、あんっ・・、や、やっと着たのに・・脱がせちゃ・・やぁん・・。ごしゅじん、さま・・」
 「ばぁか。絶対服従だって教えたろ?・・それじゃ今度は着たままシてやるよ。超愛してる、俺のメイドさん・・」
 「お、オレも・・あいしてます・・ご主人さま・・」






  ─── 朝も、昼も、・・きっと勿論、夜も。
 今日一日、オレとジャン・・ううん、メイドのオレとご主人さまは、えっちでいっぱいです・・。












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 ・・ふっと、真夜中に目が覚めちゃった。




 何だかぼんやりする頭のまま何度か瞬きを繰り返しているうちに、絡まってる太い腕の存在にようやく気付く。
 見慣れたキッチンの天井から自分の胸の上へと、ゆっくりゆっくりと視線を戻していけば。

 「・・じゃん・・」
 オレを抱きしめたまま、少し垂れてる目を閉じてまだ深い眠りの国にいる、オレの・・ジャン。



 起こさないように、そっとその固い髪を愛撫しながら、オレは記憶の糸を辿る。
  ─── えっと・・今日は、結婚記念日・・だったんだよね。
 そうだ。・・メイドさんプレイ・・してたんだっけ・・。
 次第に記憶が鮮明になってきて、オレは一人赤くなっちゃう。

 夜、ご飯を食べさせてあげてる最中に、何だか・・お互い欲しくなっちゃって。
 キッチンの床の上で、・・またシちゃったんだ。
 メイド服を脱がせて貰えないまま、すっかりサカっちゃったジャンに抱かれたえっちは、いつも以上にすっごく執拗で、・・でもうんと甘くて。
 激しい愛撫と情熱的なジャンの・・律動を思い出して、頬がかぁっと熱くなる。

 上目遣いに見上げたまま、暫くの間オレはじっとしてジャンの寝息を聞いていた。
 ・・目を覚まさないでね?
 心の中で呟いて静かにキスをシャープな頬に落としてから、そっと逞しい腕の抱擁から抜け出した。




 メイド服を着たままシちゃった身体・・ちょっとだけ冷えてる気がする。
 弄られて膝下まで脱げかけてたニーソックスを穿き直し、乱れてるメイド服を直してからオレは、ほぉっと小さく息を付いた。
 ベッドルームのカーテンの下、綺麗な月明かりが差し込んでる隅に座り込み、折れないように気を付けながらそっとポケットを探る。
 白い光の中、浮かび上がるのは ─── ジャンの笑顔。
 「・・もう。メイドコス、すっごく恥ずかしかったんだからね?・・すっごく・・か、カンジすぎちゃったし・・」
 本人にはとても言えないから。オレはこっそりと写真のジャンに文句を囁いてみたりして。



 ジャンには内緒のこの写真。以前ホークアイ中尉に強請って貰った、ジャンのスナップショット。
 旅をしている時に何度も何度も見つめて、淋しさをうんと慰めて貰ってきた、オレの大切な宝物。

 じっと見つめてから、オレはそっと・・写真を胸の中に抱きしめた。・・ちょっとだけ、泣いてしまいそう。
 「・・ジャン・・。オレのこと、ずっと好きでいてくれる・・?」
 震える指先で写真にもう一度触れ、オレはそっと口付けた。
 心が・・ちょっとだけ不安に揺れてる時の・・オレのお守り。






  ─── 不意に、暖かな体温で身体ごと包まれた。
 びくっとして振り返ったオレの目に最初に映ったのは、月の光の中でも綺麗に映える・・瞳の青・・。
 「・・どうした、エド」
 「じゃ、ん・・お、おきてたの・・」
 慌てて写真をポケットに隠して、オレは早口に囁いた。・・き、気付いてないよね・・?
 動揺して心臓ばくばくのオレの頬を、ジャンが優しく撫でてくれる。

 「今起きた。・・お前がいないから、心配になってさ」
 「・・ごめんね」
 「いや、いいって。・・ちょっと無茶させすぎたかって、気になってさ」
 「オレは・・へいき」

 優しい言葉に、オレは仄かに笑って・・首を横に振った。
 そうか、と短く呟いて抱きしめてくれる逞しい腕が、本当に・・好き。








 「・・ちょっとだけ、不安だったの。 ─── 本当は」
 「エド?」
 暫く続いた沈黙の終わり、優しい抱擁に身を任せて目を閉じたまま、オレは小声で呟いた。
 写真のジャンにだけ聞くつもりだったこと・・今、聞いてもいい?

 「ジャン。・・オレのこと、・・あ、飽きちゃったり、してないよね?」
 「ばか。・・そんな事考えてたのか?」
 眉を少しだけ顰めて囁かれる低い声。俯いて、こしょっとオレは囁く。
 「だ、だって・・マンネリの事とか、言うから。 ─── メイド姿、可愛いって言って貰えて嬉しかったけど、でも、そういう・・ぷ、プレイとかしたくなるって事は、ひょっとしてオレとのえっちとか、飽きちゃったのかなって・・。やっぱり一年も経っちゃったから、オレのこと・・少し飽きちゃったのかなって・・」
 「 ─── 馬鹿」
 「ご、ごめん・・なさい・・」
 我慢していた涙・・涙が一粒、とうとう零れ落ちちゃった。
 ぎゅっと、膝の上のエプロンを握り締める。



 ・・いつだって自信がないの。
 女の子としての自分。ジャンの奥さんとしての自分。 ─── 一人の人間としての自分。
 ジャンに何時までも愛してもらえるだけの、そんな素敵な自分に、なれたらいいのに・・。






 くすんと目を擦ったオレを無言のまま強く抱きしめていたジャンが、静かに囁いた。
 「 ─── そっか。馬鹿は俺だな」
 「・・ジャン?」
 戸惑いながら上げたオレに、目を閉じたジャンがそっとキスしてくれる。・・優しく、啄ばむだけのキス・・。
 床に膝立ちのまま、目を瞠って固まってるオレを、更に強く強く・・掻き抱くようにジャンの腕が閉じ込める。
 覗き込んでくる綺麗なジャンの瞳の中に、オレの泣き顔、揺れてる・・。

 「本当にごめんな。・・マンネリなんて話引っ張り出したのは、単にお前と・・すっげエッチがしたかったから。飽きるとか、そういうんじゃねぇの」
 「や、やん・・」
 ストレートな言葉。かぁぁっと熱くなる頬を思わず押さえたオレを、優しくジャンが見つめる。
 目尻に溜まってた涙を舌先で舐め取り、カサついたジャンの唇はそのままオレの唇をもう一度塞いでくれた。
 「んっ・・」
 思わず吐息を漏らせば、そっと唇が離れた。そしてオレの頭を何度も大きな手で撫でてくれる。

 そのまま床に胡坐を掻くと、ジャンがオレを膝の上で抱っこしてくれた。・・オレが一番安心する、このポジション。
 おずおずと太い首に腕を伸ばせば、ちゅっとそのオレの二の腕にも甘いキスを落としてくれる。
 「昨日よりずっと、今日のお前が好きだよ。・・多分明日は、今日以上にお前を好きになってる」
 「じゃ、ん・・」
 震えるオレをきゅっと抱き、肩口に沈むジャンの頭・・。
 ドキドキしながら覗き込めば、少し困ったような照れ笑いが浮かんだ。・・ときめいちゃう・・。

 「参ったな。去年の今日、お前の事をずっと変わらず好きだって誓った筈なのに。 ─── 今日のお前の方が、去年の百倍すげぇ好き」






 そっと。・・オレはそっと目を閉じた。
 気持ちがちゃんと通じて、優しい唇が重なってくれる。
 ちゅ。・・また、ちゅって。
 軽く啄ばまれるだけの優しいキスに、堪らない程の恋する気持ち・・募ってく・・。

 「・・ありがと。良かった、ジャンに思いきって聞いてみて・・」
 囁くと、いっそう照れてジャンがくしゃっと笑顔になった。悪戯っぽく笑ってオレの頬を両手で包み込む。
 「そっか。 ─── 何でも溜めこんじまうの、ほんとお前の悪い癖だぜ、奥さん?そんなトコも可愛いけどさ、心配事あったらすぐ聞けよ、夫婦なんだし。・・写真の俺なんかにじゃなく、直接。・・・・な?」
 甘く囁かれ、オレは一気に大赤面。
 「あ、あう・・み、見てたの?」
 「勿論。・・ま、すげぇ切ない表情で写真の俺にキスしてたお前は、すげぇ萌えだったけどさ。・・今日のメイド服並に」
 「も、もぉ!」

 思わず恥ずかしくって振り上げそうになった手首を、優しく押さえられ。
 ・・小さな胸の奥でとくんと心臓が鳴ったのと、そして再び近づいてきた甘い唇に・・身体の力全部抜いて、オレが目を閉じたのがほぼ同時。
 「んっ・・んんっ・・」
 「ん・・・・」
 今度は二人とも夢中になって激しく舌を絡め、そしてお互いの身体を性急に弄りあった。・・あん・・だいすき・・。
 火照ってきた身体を感じながら、オレは小声で囁く。

 「・・すき・・旦那さま・・」
 「俺も超愛してる。・・やっぱ女房のお前が、一番サイコー・・」
 「ぁん・・も、もっと・・言って・・」

  ─── やっと。
 やっと結婚記念日らしく、旦那さまと愛し合える熱い夜が・・始まる・・。








 こんなに人を好きになっていいのかなって、たまに思う。・・勿論、いいよね?
  ─── 好き好き大好き。あなたをとっても愛してる。

 マンネリになる暇なんか、全然ないくらいに・・ね?




IMPRESSIVE BLUEの青子さまからフリー配布の小説を頂いてきましたw
ほんとマンネリとは無縁の二人ですよねーwなのに自身がなくってしょんぼりしちゃうエド子ちゃんがとっても可愛いです。青子さまの可愛らしい文体がエド子にぴったりだなぁといつも思います。素敵なお話ありがとう御座いました^^

1周年本当におめでとう御座いますw